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特許

特許名 超音波探傷法及び探傷装置
特許番号 第4672441号
取得日 2011年1月28日

● 垂直入射時の反射波の位相

反射波の位相は超音波が伝搬してきた媒体の音響インピーダンスと反射源の音響インピーダンスで求められる反射率の符号により正転または反転波形となる。

● 位相カラー設定

位相反転の性質を利用して欠陥の種類を精度よく識別するために使用する探触子の正転位相での波形(基準波形)と欠陥などからのエコーの波形の比率を極座標系のθ座標で、エコー高さをR座表で表したカラーチャートを用いた設定。反射波の位相と強度(エコー高さ)を識別表示できる。

位相カラー設定


金属と紙を入れ、エポキシ樹脂で固めた試験片の上面から超音波を入射しX-Y走査により探傷を行った。


鋼中アルミナからの反射波の位相は反転するが、適当な入射角になる球面探触子を用いて探傷すると、アルミナからは正転(反転しない)反射が得られ、気泡との識別が可能となる。

特許名 炭素繊維強化プラスチック積層板のマトリックスクラック検出方法
特許番号 第4583550号
取得日 2010年9月10日

十字試験片の探傷

円筒試験片の探傷

● マトリックスクラックとは?

トランスバースクラックともいい炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の積層間に最初に発生する疲労損傷で積層の断面方向に進展するクラックです。トランスバースクラックと層間剥離が交互に進展していきます。

● 検出法

  • 1、従来法では試験体に造影剤を注入し、X線透過試験を行い、影写を観察。
  • 2、従来法の問題点は試験体に造影剤を入れる端面が必要でタンクや容器類のような注入面 がないものは探傷できない。
  • 3、CFRP特有の材料ノイズ(積層界面や繊維及び微小ボイドなどの反射)の影響でクラックの識別性が低下する場合もあるが、疲労試験の前後で探傷を行い、探傷結果画像を比較することで、クラック発生の有無が確認できる。

実験レポート

レポート①空中超音波探傷の検出欠陥サイズ

超音波探傷において、試験体に超音波を伝える為には、接触媒質(水・油・グリセリン等)が必要でしたが、この探傷方法は接触媒質を必要とせずに空中を超音波が伝搬します。よって、水や油等に適用できないものも探傷できる。

  • 透過法による超音波伝搬状況

  • システムブロック図(例)

空中超音波は水浸法と比較して、接触媒質は必要ないことがメリットであるが、空中超音波探傷により検出欠陥サイズについて状態を確認した。

φ9mm、φ7mm、φ5mm、φ3mmの紙製人工欠陥を貼り付けた樹脂板試験片を用意し、送受信のプローブを対向配置し、探傷を行い、検出状況を確認した。

  • アクリル試験片

  • (青)=健全部,(黄・赤)=人工欠陥部
    検出結果

    透過パルス高さグラフ

  • アクリル試験片

  • (青)=健全部,(黄・赤)=人工欠陥部
    検出結果

    透過パルス高さグラフ

φ3mmまでの人工欠陥では、透過パルスの高さが低下し、健全部との識別は十分可能であった。

レポート②合板(PLYWOOD)の空中超音波探傷

合板の貼り合わせ工程で起こる接合不良(積層間の剥離)が問題であり、それを検出することを目的に、空中超音波探傷により接着接合部の状態を確認した。

木材のような表面が粗く、密度が低い物質を探傷する場合● 木材は接触媒質として水や油等に適さないため、非接触媒質による超音波探傷が必要である。
● 木材の組織による超音波の減衰材料でかつ、きずの向きが一様でないものについては、透過法が適している。

接合不良部(積層間の剥離)では透過パルスが低下するため、写真(上)の探傷結果では接合部(青色)と接合不良部( 黄・赤色)を識別できた。また、合板の接合部は材料ノイズなどの影響が少なく、透過率も良好なため接合不良部の透過パルスの低下が顕著に見られた。

(青)=接合良品部、(黄・赤)=接合不良部

実験では合板(縦450mm×横150mm×高さ18mm)を用意して、送信側プローブと受信側プローブを対向配置し、その間に合板を入れ探傷する。送信された超音波は合板を通り、超音波信号を受信する。接合不良部では超音波の一部または全部が遮られるので、健全部に比べ受信される透過パルスの高さは低下する。

  • 試験に使用した合板

  • 接着部の剥離

  • 実験状況(透過去)

レポート③建材(耐火材)の「亀裂」や「ひび」等の欠陥検出

これまで、試験体への伝達損失が大きいので、減衰の大きい厚物の探傷は出来なかったが、高感度の探傷が可能となり、実験では耐火材(縦300mm×横300mm×厚さ75mm)を用意して、亀裂やひびを模擬したφ18㎜、φ15㎜の紙製人工欠陥を貼り付け、検出状況を確認した。

  • 耐火材

  • 厚み

φ18mm、φ15mmの人工欠陥では、透過パルスの高さが低下し健全部との識別は十分可能であった。

  • 試験体

  • (青)=健全部(黄赤)=人工欠陥部
    検出結果

    透過パルス高さ
    グラフ

  • 試験体

  • (青)=健全部(黄赤)=人工欠陥部
    検出結果

    透過パルス高さグラフ